近況報告 2006年6月16日
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早川千晶

カテンベ腎臓移植基金の設立にあたって
カテンベの紹介
イベントのお知らせ
基金口座振込み先

写真は、
カテンベ(右・14歳)と妹のメジラ(左・3歳)
「テレビの前で、ワールドカップ応援してます!」


カテンベと、カテンベの両親と共に、手術のことについて具体的な話し合いをしました。
今回の話し合いのポイントは

1)そもそも、手術を本当に受けたいか?受けたくないか?
受ける、受けないの両方の、リスクと、メリットをできるだけ詳しく説明して、カテンベ本人もよく理解できるようにする。
2)手術を受けるなら、ケニア、インドのどちらにするか?
ケニアとインドの事情の両方を説明して、カテンベ本人もよく理解した上で、選択する。
・・・と、こういう内容についてでした。

「インドでの手術」について、
ナイロビ腎臓センターのムウォンゲラ先生から紹介されているのは、インドのAhmedabad にある腎臓研究センターでした。
資料をもらい、私もその資料を読んだり、調べたりしてみましたが、どうも、私は気乗りがしていませんでした。
それは、昔、私はAhemedabad に行ったことがあり、この町にあまりよい印象を感じなかったせいでもあります。
でも、そんな「気のせい」みたいなことを言っても仕方がないので、冷静に判断しなければと思っていました。
たったひとつの受け入れ先で判断するのではなく、もっといろいろ調べてみなければと思っていました。
ナイロビ腎臓センターの透析常連者とも、カテンベはいろいろおしゃべりをして情報収集しているようですが、インドでの移植手術については、「看護婦さんが親切にしてくれない」「食べ物が辛いものばかりでつらい」という体験談を聞いていて、カテンベとし

てはちょっと不安な気持ちもあるようでした。
でも、誰に聞いても、インドの技術は高い、といいます。
機械などの設備も高度だし、ケニアとは比べ物にならない、というのが、常識のようです。

「ケニアでの手術」について、
これは、やはり、手術後の対策が最も難しいところだという見解を、誰もが持っています。感染の対策がちゃんとしていないせいで、不安があります。
それなのに、料金が高い。
なんだか、料金の高さに質がともなっていないのが、納得できないところです。
メリットはやはり、家族のすぐそばにいれる、という安心感だけです。

こんなわけで、私としては、インドも、ケニアも、両方とも、もろ手をあげて賛成できないような、心の中になんとなく納得できないひっかかりみたいなものがありました。
だけど決めなければならない日は迫っているし・・・
とにかく話し合いをしなければならない、と思ったけれど、気が重かったというのが正直なところです。
いずれにしても、「これがベスト!」と思えるような状況ではなかったからです。

そうしたら、話し合いをしようとしていた日の朝に、メールが届きました。
この前このブログに書いた近況報告を読んでくれて、仙台から、石原お母さんと、ヒーラーの小澤さんが、ほとんど同時に、良い情報を届けてくれたのでした。
なんでも、南インドに、アマチさん(アンマ)という聖者の方が作られたすばらしい医療設備の整った医療施設があるというのです。
AIMSといって、高度な医療を安価に受けられる医療施設だそうなのです。
http://www.amritapuri.org/health/aims/aims.php

思わず、「南インドのどこですか?」と私は聞きました。
すると、「コーチンです」という返事。

この偶然に驚きました。
というのは、私、大西匡哉、師匠マテラさん、若者タイコ叩きのバーティ、ダンサーのマシャカの5人は、8月4日出発で、この、コーチンに行く仕事が入っているからです。
(マテラさんとバーティは、カテンベのおじさんにあたります。)

このお仕事は、ピースボートに水先案内人(講師)として乗せていただくお仕事です。
コーチンからモンバサまでの船の中で、私はキベラの講演や勉強会などをさせていただき、その他の4人は音楽のライブやワークショップを行います。
8月6日にコーチンで、原爆の日の平和イベントを行うということで、そこから参加させていただくことになっています。
本当は、6日の朝にコーチンに到着していればよかったのですが、飛行機が満席で取れず、1日早く到着することにスケジュールが決定していました。
8月5日の朝にコーチンに到着して、1日、フリータイムがあるのです。
せっかくのフリータイムがあるから、カテンベの病院について下見でもしたいよね、と匡哉と話し合っていましたが、ムウォンゲラ先生に紹介されていたAhmedabad は遠いので、無理だと思っていました。

ところが、今、こうやってコーチンの優れた病院を紹介してくださる方が登場しました。
これにはほんとにびっくり。そして、とても嬉しく思いました。
ぜひ見学してみたいし、なんだか希望が出てきました。

ケララ州やコーチンも、私は以前、行ったことがあるのですが、私はとても良い印象を持っていたのです。人々がとても温かく、のびのびとした良い空気が漂っているところだと感じていました。
なので、このメールを見て、「コーチンならば、最高だな!」とすぐに思いました。
インドの伝統医療もさかんなところだと思います。

この、アマチさんの病院については、これからもっと情報を調べないとわからないけれども、8月に下見に行けるということで、とても前向きな気持ちになってきました。

こういう情報を持って、カテンベのところに相談に行きました。

ところで、カテンベですが、ここのところとても元気が出て、見違えるように顔が生き生きと輝いているのです。
いや~、なんだかすごく元気だよね、調子よさそうだけどどうしたの?と聞いたところ、匡哉に、「ワールドカップがはじまったからだよね」とからかわれていました。
そうなんです! カテンベが待ちに待ったワールドカップがはじまり、カテンベは、見違えるように元気が出てきました!
カテンベの家にはテレビがありませんので、近所の人のおうちでテレビを見せてもらっています。
とにかくカテンベはサッカーが大好きです。
一番応援しているのはブラジルです。
ワールドカップがはじまるにあたって、ブラジルをサポートするために、ブラジル応援Tシャツをカテンベは匡哉と一緒に買いに行きました。
ところが、ブラジルのはカテンベサイズがなく、仕方ないので、スペインTシャツを買ってきました。
カテンベに会いにいったら、妹のメジラとともにおそろいのスペインTシャツを着て、やる気まんまんでした。
日本の選手も、ほとんどの選手の名前が言えます。
あのときのプレーは、こうで、こうで、こうなって・・・ と、とても詳しく解説をしてくれます。
なんだか、心なしか、カテンベの足取りも軽くなったようです(笑)。
自由に動けないカテンベだけど、テレビの中で見る憧れの選手たちの華麗な動きに、自分の心も乗っかっているみたいです。

そんなわけで、カテンベの顔の元気の勢いが、今までとまったく違うことに私はびっくり。
ほんと、スポーツって素晴らしいですね。テレビで見ているだけでも、こんなに元気をくれるとは。

ワールドカップのおかげで、カテンベは絶好調。
調子があがってきて、透析も、週3回が週2回に減りました。
今は、月曜、金曜の週2回の透析で、とりあえずの様子を見ているところです。

さて、この絶好調の波に乗り、手術についての話し合いをしました。
お父さん、お母さんはやはり、費用のことや、いろいろなことで不安がたくさんあるようです。
だから私は、カテンベに、「費用のことは心配ないんだよ。お金の心配はまったく考えずに、カテンベがどうしたいか、ということで決めていいんだよ。どういう道を選んでも、ずっとサポートするから安心してね。」と言いました。
カテンベは、とても柔軟な子です。そして、ほんとにしっかりしています。私や匡哉がこうやって話をすると、その話の真意みたいなものを、とても敏感に察知します。そして、深いところまで理解しようとします。それが伝わってきます。
だから、私や匡哉が不安に思っていたら、それもすぐに伝わるし、反対に、私たちが安心したり確信したりしていたら、それもすぐに伝わるのです。

正直、カテンベのお父さんとお母さんと話をしていると、私のほうは、不安な気持ちになってくることも時々あるのです。
お父さん・お母さんもストレスたまって大変ですから、カリカリしてしまうときもあります。無理も無いことです。
だけど、カテンベと話をすると、私はなんだかいつもすごく安心するのです。不思議なものです。
カテンベと話をしていると、一番大切なことが見えてくるような気がします。

今回、私がいろいろ説明したあとで、カテンベは、とても力強くうなずいていました。
そして、彼の結論をはっきり言いました。

彼の結論としては、
「まず、ケニアで手術を受けるのは、いやだ。それ以外だったら、どういう決定になっても、僕はOK。インドで手術というのも、OK。
すぐに手術できなくてしばらく様子をみよう、ということでもOK。他の医療を試してみよう、ということでもOK。
だけどとにかく、ケニアで手術をすることは、いやだという気持ちです。それ以外だったら、なんでもOKだよ。がんばるよ。」
という、はっきりとした返事でした。

これによって、とりあえず、インドで手術を受けるということを優先した計画を立て直すことになりました。
それに向かって、みんなで、前向きに動き始めることができそうです。

当初の、7月1日手術目標は、かないませんので、仕切りなおしをします。

今後の計画としては、以下です。

8月までの間に、情報収集をすることと、インドの病院にコンタクトをとる。
8月5日に、コーチンで病院の下見に行き、お医者さんにも相談に乗ってもらう。
ケニア側でのハランベー(募金集め)は、7月末をめどに、できるだけのお金を集める。それと同時進行で、今からカテンベ、カテンベの両親のパスポート取得の手続きを開始する。

コーチンの病院の見学をしたあと、そこに決定したら、すぐに申し込みをする。
(手術費用のデポジットを送金して申し込みをする。)
話によると、申し込みをしてから準備に1ヶ月くらいかかるとのこと。
航空券などの手配をはじめる。

私、大西匡哉、マテラさんは、9月16日ごろ~10月20日ごろまで、日本ツアーが入っているので、
インドに出発できる日程の目安としては、11月1日と仮に設定する。
手術前に1ヶ月間の入院が必要だということなので、手術目標は、12月1日と仮に設定する。
手術後は2ヶ月間の入院が必要だということなので、ケニアに帰ってこれるのは、2月初旬ということになります。

このように計画を仕切りなおして、この目標にそって、これから動いてみたいと思います。
手術費用や、手術後の医療費について、まだまだお金を集めないといけないので、引き続き、募金への呼びかけのほうも活発に行っていきたいと思います。

以上がとりあえず現時点で話し合ったことです。
これからもっともっと煮詰めていきたいと思います。
応援してくださっている皆さんのおかげで、すごく希望が生まれてきたように思います。心から感謝です。
これからもどうかよろしくお願いいたします。

早川千晶
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by keep_music | 2006-06-19 18:24 | 経過報告
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