近況報告 2006年7月22日
早川千晶

カテンベ腎臓移植基金の設立にあたって
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カテンベが集中治療室に入って3日たちました。
7月6日に具合が悪くなって入院してからあと、状態が良くなって7月10日に退院しました。
ところが7月19日の深夜、また急激に具合が悪くなりました。心臓が痛い、息ができない、血圧が急激に上昇し、高熱を発し、緊急に入院したのです。



すぐに集中治療室に送られました。
肺炎だということで、抗生物質を投与されました。
極度の貧血状態だということで、輸血もしました。
かなり状態が悪かったところ、21日になってだいぶ持ち直して、21日の午後は少し食事もできたり、笑って話をすることもできるようになりました。
ところが、ほっとしたのもつかの間、21日の夜になってまた状態が急変しました。
血圧がどんどん上がり、心臓と頭に激痛があってカテンベは泣き叫びました。
そして息ができない。苦しい。苦しい。と、のた打ち回りました。
21日の夜はずっとそのような状態で、カテンベは苦しみ続けました。
21日の午前5時ごろになって、少し落ち着き、やっと眠ることができました。それでも血圧はほんの少し下がっただけです。
22日の今日、ムウォンゲラ医師がきて、「心臓がかなり弱っている。困った状態だ」と言いました。
貧血がひどいせいで、血圧があがり、心臓に負担がかかっているそうです。
これまでもこの貧血状態を改善するために増血剤を注射していました。
しかし、カテンベの場合、この増血剤がまったく効果をしめしていないそうです。
腎臓移植を予定している患者には、できるだけ輸血は避けたいのたそうですが、今回はやむをえず、輸血をするしか方法が無いと医師が言いました。
20日には1ユニットの輸血をしましたが、今日は2ユニットの輸血をすることになりました。
ケニアの病院には血液バンクというのは存在しておらず、輸血が必要な患者は、その患者用に献血をしてくれる人を家族が集めなければなりません。
キベラから、リリアンたちが献血にきてくれました。
その他、ナイロビ中の知り合いに献血のお願いをしています。
血液の保存も長期間できないので、緊急にそなえてストックしておくこともできません。(保存は最長で1ヶ月だそうです。)
今は心臓に負担がかかりすぎて肥大しているとのことです。
今回は今まで見るムウォンゲラ医師の中で最もあせっているように見えました。「心臓が弱りすぎている。どうしたものか」と何度も小声で言い続けていました。
今はもう、こうして透析をしながら輸血をするよりほか、何も手の打ちようがないそうです。
肺炎はすでに治療をほどこしているので問題ないとのこと。
カテンベの心臓が持ちこたえることができるかどうか、というのが鍵だそうです。
やはり一日も早く手術を受けられるようにしなければ、と思っています。
いま、パスポートの手配を急いでいるところです。

今日はいつもの腎臓センターではなく、入院先のMPシャー病院で透析をすることになりましたが、透析のセットをするとき、あまりの激痛に、カテンベは外まで叫び声が聞こえるほど絶叫しつづけました。およそ30分近くも絶叫を続け、体をおさえられつけて無理やり針を差し込まれました。私たちは、「外に出て行ってくれ」と言われ、「本人が恐怖を感じているのでそばにいさせてくれ」「いや、出て行け」と押し問答になり、口論の末に無理やり外に出されました。
カテンベは、どれほど恐ろしかったことかと思います。透析の経験が薄い看護婦たちが無理やり押さえつけて作業をすると、とても耐えられないような痛みなのだそうです。
カテンベは、普段も、腎臓センターでいつもお世話になっているベテランのビッキーさんにしかやってもらいたがりません。
ビッキーさんは、痛くないように上手にやってくれるのです。
ところがこの病院の透析担当者は、あまりにもラフなやり方で、カテンベは絶叫するほど痛がりました。
30分以上もそんな想いをさせた上に、結局、腕がぱんぱんに腫れ上がってしまい、透析をすることができませんでした。腕は血だらけになりました。
それなのにその看護婦は、まるでカテンベの我慢が足りないからできなかったというような言い方をして、透析ができなかったことをカテンベのせいにしました。
私と匡哉はあまりのことに抗議したのですが、「家族側が病院側に対しての信頼がなければ、何事もうまくいかない」と言われて黙らされてしまいました。
だけどその看護婦は、泣き叫ぶカテンベの横で、「泣くのをやめなさい。なんでそんなに泣くの」と言って笑ったのです。
その看護婦はとても気が強そうな、自信にあふれた人です。私が抗議したときも、「自分は優秀なのだ。透析もベテランだ。」と言い続けていました。
つらい患者の気持ちをもっとわかってくれればいいのに、と思いました。
しかし、そのあとで集中治療室の優しいお医者さんが来てくれて、その看護婦さんに、「そんなやり方をしたら、子供はまるで虐待を受けているような気分になると思うよ。気をつけなさい」と注意してくれたので、少しほっとしました。

ずっと泣き続けているカテンベに、お母さんがしかりながら励ましました。透析をしなければならないのはわかっているよね、痛くても我慢しなさい。がんばりなさい。みんなこうやって応援してくれているのだから。とお母さんがしかり口調ではっきりと言い、カテンベはそれを聞きながら落ち着いてきました。
カテンベが激痛に絶叫していたときは、集中治療室の外でお母さんは泣いていたのです。お母さんは私に、「なぜこの子ばかりがこんなに苦しまなければいけないの。みんなたくさんの子供たちが元気な体で生まれてくるのに、なぜこの子ばかりがこんなに透析のたびに痛みにのた打ち回らなければならないの」と言いながら泣いていました。
そのあとで、カテンベをしかりながら励ましているお母さんの強い口調を聞いて、母親とはなんてすごいのだろうかと驚きました。

カテンベはとてもがんばっています。生きるためにがんばっています。
彼の心臓が持ちこたえてくれるように、どうか皆さん祈ってください。
どうかよろしくお願いいたします。

早川千晶
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by keep_music | 2006-07-24 00:53 | 経過報告
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