2006年7月29日
早川千晶

カテンベ腎臓移植基金の設立にあたって
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カテンベ、完全に復活しました。
今日は酸素マスクの向こうからも、かわいい冗談を飛ばしまくり。みんなで涙が出るほど大笑いしました。
今日また透析を行いましたが、針を刺すのも問題なく成功し、透析も3時間、順調に終えることができました。
透析後、リリアンがカテンベに、「どう?疲れた?」と聞いたところ、



カテンベは、「そりゃ疲れるよ。これは大変な仕事だからね!」と言い、この言葉にみんなまた大笑いしました。
今日私はカテンベに故郷ミリティーニの映像を見せてあげたくて、ノート型パソコンを持っていきました。
「疲れていない? 疲れてないなら見せたいものがあるけど」と言うと、「疲れてない!」と言います。
なので、パソコンで彼の故郷ミリティーニ村の子供たちの写真や、お祭りの盆踊りのようなセンゲーニャを踊っているところの動画などを見せました。
カテンベは、身を乗り出して見ていました。
時折、大声を出して笑いまくり、お母さんもびっくりしたほどです。
ジュンバ・ラ・ワトトの写真も見せました。ジュンバ・ラ・ワトトというのは、キベラスラムにある私とリリアンが運営している孤児のための寺子屋から村に移動した子供たちと、村の子供たちが、みんなで仲良く一緒に暮らしている家のことです。村の人々と私たちとが力を合わせて運営しています。
みんな、カテンベの仲間たちなのです。

カテンベは、写真を見ながら、ひとりひとりの名前を呼びました。
そして、「ああ、ジュンバ・ラ・ワトトだ。僕も絶対にここに帰るぞ。」と興奮気味に言いました。
ああ、本当によかった。
明日かあさってには、普通病棟に移動できそうです。

それにしても、「生きている」ことがいかにすごいかということを今回は見せ付けられました。
おとつい、まだICUにいたとき、私がカテンベのそばにいる間に、ICUでは3人の人々が亡くなりました。
ICUのベッドが足りず、カテンベのベッドのすぐ横の通路で、担ぎ込まれてきたおじさんが心臓マッサージや人工呼吸のかいなく、息を引き取られました。
カテンベの向かいのベッドには、コンゴ人のおじさんががんばっていました。だけど彼も、カテンベがICUを出る前の晩に、亡くなりました。
ICUの待合室でずっと詰めている家族たちは、同じ顔ぶれと1日中一緒にいるので、そういう家族の人々とおしゃべりをしたりして仲良くなります。
コンゴ人のおじさんの家族は、亡くなる前日、「もうダメかもしれない」と言って泣いていました。そのときカテンベも危篤でしたので、お互いに励ましあいました。
家族の方々は、写真を撮り、せめてこの写真をコンゴに持って帰るのだ、と言いました。
そして翌日の朝、カテンベが目を覚まし、私たちが喜びで満ち溢れているとき、目を真っ赤に泣き腫らしたご家族が挨拶にきました。
「昨日の夜、ダメだったんだ」と言いました。
「だけどカテンベはきっと良くなるよ。がんばってね」と言って、立ち去っていきました。
よみがえることができた命には、きっとまだこの世でやることがあるということなのでしょうね。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。ICUはまさに最後の闘いの場というかんじのところでした。お疲れ様、どうかゆっくり休んでください、とお祈りしたいです。
カテンベだけでなく、私たちもきっと同じことです。時間がきたら、逝かなければならない。だけどその時間が来るまでは、精一杯、最大限の努力をして、真剣に生き抜いていきたいと思います。
偶然が偶然を呼び、とてもステキな展開になっています。
インドからご連絡をいただいた、出家されている日本人の方が、カテンベ手術を予定しているコーチンのAIMSについての情報を送ってくださいました。
とてもありがたかったです。コーチン近郊にお住まいの方なので、もしかしたら8月5日の病院見学のさいにお会いできるかもしれません。
アフリカ人も入院しているそうです。世界中からおいでになる方がいるのだそうです。
この方がなぜカテンベのことを知ってくださったかというと、日本人の方でAIMSで肝移植の手術を受ける予定にしていた方がいて、そのことが新聞に載り、その新聞記事が送られてきたそうです。そこで、その方の「救う会」と連絡を取り合っていたところ、「救う会」の方がカテンベのことをおしえてくれて、そこからこのブログにたどり着いたということです。
とても不思議な気持ちになってきます。縁が縁を呼び、どんどん広がっていく縁の輪の中に私も入れてもらっている気がします。
すべて大切にしたいなと思っています。

こういうご縁をいただけて、とても幸せな気持ちにさせてもらっています。
皆さん本当にありがとうございます。

愛知県で応援してくださっている方から、とても素晴らしいメッセージをいただきました。
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私は農作業する傍らで、カテンベ君に話しかけました。
「カテンベ。 この状態からは、君が命をつかさどる存在に直接交渉しないと
 希望は無い。 君がもし生かされるとしたら、どんな人になるかを訴えて
 生きる価値ありと認めてもらわないとけない。 後は君次第だ。」
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その他にも、たくさんの方々が、カテンベに話しかけてくれて、祈ってくれて、力を送ってくださいました。
そういう力が彼を死のふちから引き戻してくれたのだと思います。
心から感謝いたします。ありがとうございます。
百万回お礼を言っても足りないくらいに思っています。

私は今、仕事の段取りなどでとても大変なことがいっぱいあって、あっぷあっぷの状態だったのですが、
カテンベがよみがえったのだから、何でもできる!というような気持ちになってきました。
すごい力をもらった気がします。

インドに向かい、無事手術を成功させ、元気にケニアに帰ってこれるよう、これからが本番です。
気を引き締めて、がんばっていきたいと思います。
これからもどうかよろしくお願いいたします。

早川千晶
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by keep_music | 2006-08-01 14:09 | 経過報告
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