2006年10月28日
早川千晶

カテンベ腎臓移植基金の設立にあたって
カテンベの紹介
基金口座振込み先
UPEPOアフリカの風ネットワーク


カテンベの新しい人生の3日目です。

今日はますます順調! 面会謝切の小さな丸い窓から会話をしました。カテンベもお母さんも満面の笑顔でした。カテンベはおしっこの管と袋もはずれて、自分でおしっこできるようになりました。お母さんももりもりと食欲が出てきたもようです。カテンベも、しっかり食べているとのことです。

今日は、例のカテンベチャリティキーホルダー制作をしてくれている、スラムの職人さん・ジョンワニョイケもナイロビ病院に来てくれました。これまでにいったい何個のキーホルダーを作って売っただろうね?という話をしていて、ざっと、2000個以上だったんじゃないかな、と。。。なんだか感動してしまいました。カテンベの医療費を支えるための作戦として、キーホルダー販売を思いつきましたが、ジョンがリーダーをしているスラムの廃材職人さんたちチーム5名が、日夜ほんとにがんばって作ってくれました。動物たちやマサイのビーズキーホルダーは、夢がいっぱい詰まっているようで、販売するのも楽しかったのです。今日はジョンが新作を持ってきてくれたのですが、これがめちゃめちゃ面白くて、私は30分くらい笑いが止まらなくなってしまいました。匡哉も10分くらいは笑っていました。新作のひとつは「カバ」だったのですが、もうひとつは、どう見ても何なのかよくわからない動物で、これが笑えて笑えてしょうがない物体でした。太ったカラフルな体に短い手足、そして鼻先からは細長い触覚が出ており、その先端が曲がっています。そして太くて長いしっぽ。つぶらな瞳。見れば見るほど、笑えます。思いきり笑った末に、これは笑いと幸せをもたらせてくれる(?)動物なので、これも、カテンベチャリティキーホルダーの仲間に入れてもらおうと思いました。次の来日のときには持っていきますので、皆さん楽しみにしていてください。

カテンベはこれから一生、高価な薬を飲み続けなければならないので、それを支えるためにも、楽しいチャリティグッズの制作はずっと続けていきたいと思っています。この、スラムの廃材職人・ジョンと仲間たちも、カテンベ応援団の一員です。

今年の2月以来、どんどん広がっていったカテンベ応援団の輪は、たくさんの勇気と希望と友情を与えてくれました。カテンベの医療費を支えることや、カテンベの命を支えるという最大の目的だけにとどまらず、いかに「生きる」のかという本質的なことや、人と人とのつながり、生命の輝きなどについて、様々な学びや気付きのチャンスを与えてもらいました。みんなで力を合わせて、危険だったときを乗り越え、「手術」を実現することができ、今、カテンベは新しい人生のチャンスを得ることができました。10月26日を期に、カテンベは新しい人生の一歩を踏み出しました。今日はその3日目です。深くかかわらせていただいている私たちにとっても、そして、カテンベ応援団の皆さんにとっても、一緒に踏み出した新しい人生の3日目であったと思います。

手術が完了したその瞬間から、移植された腎臓は元気に働きはじめ、そしてカテンベの体の中で確実に生きています。一瞬一瞬、どんどん再生を続けていくカテンベの姿、輝きを増していく生命の力強さを目の当たりにしながら、「生」というものをリアルに感じています。生命のエネルギーというのは、いかに前向きに前進するものであり、しなやかで、喜びに溢れ、希望に満ちた美しい光なのかということを、思い知らされています。

まずは手術が成功したこと、これが確実な第一歩でした。これから先は、臓器移植を受けたカテンベの体と、腎臓のひとつを提供したカテンベのお母さんの体が、日常生活の中で健康を保ちながら生きていけるようにすること。長い闘病生活で停滞していたカテンベの成長と、今後の人生の展開。カテンベの復学と新しい生活。など、踏んでいかねばならないステップや課題はたくさんあります。

そうやって新しい人生を得たカテンベが、今後、その新しくいただいた生きるチャンスを、どのように生かしていくか、そして、いかなる人生を生きるか、ということが、これからの道なのではないかと思っています。

こうして新しく得た人生の、一瞬一瞬が宝です。

そして、カテンベが個人的な人生を幸福に生きるということはもちろんのことですが、それだけでなく、カテンベの命が伝えてくれる、大切なメッセージがあります。

カテンベや、カテンベの家族、そしてカテンベ応援団の皆さんと共に、この第一歩からはじまった新しい道を、さらに歩んでいくことができればと願っています。

生と死の境での奮闘を、私たちにさらけ出してくれたカテンベは、強いメッセージを投げかけてくれました。人生の時間がどれだけあるか、いつまで生きていられるかということは、実は、私たちすべての人間にとって、誰にもわからないことです。だけどそれを実感しながら生きている人はなかなかいないものです。カテンベは、それを際立たせた存在として、私たちの人生に登場してくれました。手術が成功したとはいえ、カテンベ自身、これからどのくらい生きられるかということは、誰にもわかりません。だけどそれは、カテンベだけではなく、私たちすべての人間にとっても、同じことです。

だから、生きている「今」の一瞬一瞬が、まさに、本当に貴重なチャンスなのだと思います。カテンベにとっても、私たちにとっても。

カテンベは、皆さんに支えられた手術により、その貴重なチャンスをいただきました。

一瞬一瞬をいつも精一杯生かして、より良く生きていきたいですね。



この3日間、目覚しい前進であったと思います。

コンディションが落ち着いてきたら、ゆっくりと、カテンベの今後の人生についての相談をはじめたいと思います。まずは最も大切なのは、カテンベ自身の意志です。カテンベがどんなふうに人生を生きたいか。彼がこの経験から得たこと、そこから発展していく彼自身の変化。彼はだんだん、それを咀嚼、吸収して、これから先の彼自身の人生の肥やしにしていくことと思います。

そして、彼が今後の自分の道を探って、納得いく歩みをはじめることができるように、私たちは影になり日向になりサポートを続けていきたいと思います。そのために、カテンベ自身、カテンベの家族、そして、カテンベ応援団の皆さんとも、密な話し合いや意見交換をしていければと願っています。

カテンベ自身、これまでの闘病が、自分だけの力ではなく、たくさんの人々とのかかわりの中で生まれてきた可能性だったということを、深く実感しています。カテンベはまだ15歳だけれど、とても理知的で深い精神性を持つ人物です。これから先、この体験の意味や自分の立場を、彼はもっともっと知っていくことになるだろうという気がしています。

そして、カテンベの命のサポートをするのと同時に、サポート隊のほうもこの経験から多くの大切なことを与えてもらっていると実感している人々がたくさんいるということを、私もとても強く感じさせていただいてきました。

手術が成功して、これがゴールなのではなく、ここがまたはじまりなのだということを実感しています。

本当にありがとうございます。これからもどうか一緒に歩ませてください。よろしくお願いいたします。

早川千晶
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by keep_music | 2006-10-31 12:56
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