会計報告2006年11月3日 
早川千晶

カテンベ腎臓移植基金の設立にあたって
カテンベの紹介
基金口座振込み先
UPEPOアフリカの風ネットワーク

10月26日付けの会計報告をまとめました。
これにより、10月26日現在での募金残高は、約110万円となりました。
これは、腎臓移植手術にかかる費用(デポジット)をナイロビ病院に支払ったあとでの残高です。

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# by keep_music | 2006-11-04 02:18 | 会計報告
2006 年11月2日 手術後8日目  
早川千晶

カテンベ腎臓移植基金の設立にあたって
カテンベの紹介
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UPEPOアフリカの風ネットワーク

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手術後8日目のカテンベ。チャイを飲んでいるところ。



昨日(11月1日)、カテンベのお母さんが退院しました。順調に回復しています。

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# by keep_music | 2006-11-04 01:57 | 経過報告
2006年10月31日 手術後6日目
早川千晶

カテンベ腎臓移植基金の設立にあたって
カテンベの紹介
基金口座振込み先
UPEPOアフリカの風ネットワーク

今日もますます元気なカテンベ。
チキンとごはんをたいらげました。
早くも、動き回りたくてうずうずしているもよう。
ムウォンゲラ先生も「すごい勢いだなー」と苦笑するくらいの元気っぷり。
なんと、明日はお母さんが退院できるかもしれません。
カテンベはあともう少しですね。

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手術後6日目のカテンベ。会心の笑顔!

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手術後6日目のカテンベと匡哉。2人がマスクをしているのは、感染を防ぐためです。
面会謝絶の部屋に一瞬しのびこみました。

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# by keep_music | 2006-11-04 01:47 | 経過報告
2006年10月30日 手術後5日目
早川千晶

カテンベ腎臓移植基金の設立にあたって
カテンベの紹介
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UPEPOアフリカの風ネットワーク


今日はキベラのマゴソスクールで9月22日リリースの新作CD「ミレレ」の鑑賞会をしました。
リリアンが、丁寧に、このCD制作のこれまでの道のりについて、マゴソスクールのみんなに話してくれました。
ふだんキベラのみんながいつも歌っている歌に、匡哉がギターやベースをのせて、福井君がキーボードをのせてくれて、ヨースケ君がキベラの絵を描いてくれて、デザインをしてくれて・・・
病気と闘っている最中のカテンベと、カテンベの姉妹弟たちも歌いました。
みんなで力を合わせて作り上げた作品です。
匡哉が、大きな音で聞けるステレオを持ち込んで聞かせてくれました。ストリートからやってきたトニーや、母親が死んでから労働させられていたエミテワや、虐待受けていたアギーやアピヨ、病気と闘っていたカテンベなど、ソロを歌うひとりひとりの存在感が浮き彫りにされていて、すごいリアリティと共に迫ってきます。
逆境を乗り越えて精一杯生きている子供たちの生命力や、時間を追っての成長ぶりがひしひしと感じられる歌声です。
みんなで心から喜びあいました。
いろいろと大変なことがあっても、これからもがんばっていける力をもらいました。

それからカテンベに会いに病院に行きました。
今日のカテンベは、ますます元気で、今日は30分くらい歩いたそうです! 私が行ったときにも、歩きたいと看護婦さんに言って、面会謝絶の部屋から歩いて出てきました。素晴らしい笑顔でした。
しっかりした足取りで歩いて、私はあまりにも嬉しくて涙がちょちょぎれました。

どんどん元気になっていくカテンベの姿、そして、同じ手術を受けてとっても元気になったジェニアちゃんの姿、再生していく命のしなやかさに触れて、私は、この世の中で最も美しいものを見せていただいている気持ちです。
今日、新作CD「ミレレ」をみんなで聞いているときも、マゴソスクールの子供たちひとりひとりの表情に目がくぎづけになりました。そのひとりひとりは、とても過酷な状況の中で生きています。でも、生きています懸命に。その子供たちが、手拍子を打ったり歓声をあげたり、そして笑顔をきらめかせたりしている様子を見ていると、涙が出てきてしまいます。
命とは、しなやかで美しいエネルギーですね。
それをおしえてくれたすべてに、「ありがとう」という気持ちです。

ここ数日、感動することばかりの連続で、心の中がはちきれそうです。
毎日、カテンベに会いに病院に行くのが、楽しみでたまりません。
明日の様子はどんなかな! どうかお楽しみに!
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# by keep_music | 2006-11-04 01:34 | 経過報告
カテンベの写真
手術前と後のカテンベの写真です。

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手術前1

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手術前2

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手術後ICUで目覚めたカテンベ。左手の親指に注目

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部屋から出て廊下を歩くカテンベ

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外に出てくつろぐ父さん母さん

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# by keep_music | 2006-10-31 13:26 | 経過報告
2006年10月29日
早川千晶

カテンベ腎臓移植基金の設立にあたって
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今日は4日目。なんと、カテンベが歩きました。
部屋から廊下に出て、エレベーターのところまで。
どんどん元気になっています。
おしっこもたくさん出て、ほんとに順調です。
ムウォンゲラ先生が来て、ものすごく嬉しそうだったそうです。
「水もジュースも、どんどん飲みなさい」と言ったそうです。
今までずいぶんと水分制限をしてきたので、どんどん飲んでいいということがカテンベもとっても嬉しいはずです。
カテンベより先に腎臓移植手術を受けたルワンダ人のジェニアちゃんとお母さんも、毎日お見舞いにきてくれています。
透析仲間のケニア人のおじさんも、カテンベの様子をのぞきにきてくれて、順調な様子にとても嬉しそうでした。
ナイロビ病院にお友達がたくさんできたので、ジェニアちゃんとお母さんはカテンベのお見舞いに来るついでに知っている人のところすべてを回って挨拶していきます。
ルワンダから、またひとり、腎不全の女の子がやってきました。クレアちゃん(21歳)は両親の両方とも亡くなってしまったそうで、たったひとりでナイロビ病院に運ばれてきて、寝たきりの状態で透析治療をはじめました。ひとりで言葉も通じない外国の病院にやってきて、どんなに心細いことでしょう。みんなで励ましています。
ルワンダ人のジェニアちゃんは、カテンベと同じ15歳ですが、突然腎不全に陥り、地元の病院に4ヶ月、キガリの病院に2ヵ月半入院したすえにナイロビ病院にやってきて3ヶ月になります。お母さんは、突然病気になって衰弱しつづけていたジェニアちゃんがどんな様子だったかということを話してくれました。「どうしたらいいのかと途方に暮れていたけれど、こんなに元気になってくれた。神様はすごいね!」と言っていました。
ジェニアちゃんは、新しくやってきたクレアちゃんのことを何かとこまごまと気を使ってお世話しています。
腎臓病に関しては慣れたものなので、ジェニアちゃんは頼りになる存在です。
「ジェニアちゃんのような人が看護婦さんになったら、きっととても良い仕事ができるね!」と言ったら、ジェニアちゃんもお母さんも嬉しそうに笑っていました。
ジェニアちゃんたちは、ルワンダとコンゴの国境付近の村からやってきました。いつか遊びに行きたいと思います。
カテンベもジェニアちゃんも元気になって、これから幸せな人生が待っていますように、と祈らずにはいられません。
明日はキベラのマゴソスクールで、新しいCD「ミレレ」の完成版をみんなで聞いて、子供たちにこれまでの経過報告をする会を催します。カテンベのことを話すのも楽しみです。
このマゴソスクールの新作CD「ミレレ」には、カテンベの歌も1曲入っていて、売り上げの10%はカテンベ基金に寄付されます。闘病のさなかに録音したカテンベの歌声は、澄み切っていてとても胸を打ちます。
マゴソスクールの子供たちも、カテンベ応援団の仲間です。
明日はどんな一日になるか、とても楽しみです。
一日一日がこんなに楽しくて喜びに満ちているということ、本当にありがとう。
早川千晶
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# by keep_music | 2006-10-31 13:00 | 経過報告
2006年10月28日
早川千晶

カテンベ腎臓移植基金の設立にあたって
カテンベの紹介
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UPEPOアフリカの風ネットワーク


カテンベの新しい人生の3日目です。

今日はますます順調! 面会謝切の小さな丸い窓から会話をしました。カテンベもお母さんも満面の笑顔でした。カテンベはおしっこの管と袋もはずれて、自分でおしっこできるようになりました。お母さんももりもりと食欲が出てきたもようです。カテンベも、しっかり食べているとのことです。

今日は、例のカテンベチャリティキーホルダー制作をしてくれている、スラムの職人さん・ジョンワニョイケもナイロビ病院に来てくれました。これまでにいったい何個のキーホルダーを作って売っただろうね?という話をしていて、ざっと、2000個以上だったんじゃないかな、と。。。なんだか感動してしまいました。カテンベの医療費を支えるための作戦として、キーホルダー販売を思いつきましたが、ジョンがリーダーをしているスラムの廃材職人さんたちチーム5名が、日夜ほんとにがんばって作ってくれました。動物たちやマサイのビーズキーホルダーは、夢がいっぱい詰まっているようで、販売するのも楽しかったのです。今日はジョンが新作を持ってきてくれたのですが、これがめちゃめちゃ面白くて、私は30分くらい笑いが止まらなくなってしまいました。匡哉も10分くらいは笑っていました。新作のひとつは「カバ」だったのですが、もうひとつは、どう見ても何なのかよくわからない動物で、これが笑えて笑えてしょうがない物体でした。太ったカラフルな体に短い手足、そして鼻先からは細長い触覚が出ており、その先端が曲がっています。そして太くて長いしっぽ。つぶらな瞳。見れば見るほど、笑えます。思いきり笑った末に、これは笑いと幸せをもたらせてくれる(?)動物なので、これも、カテンベチャリティキーホルダーの仲間に入れてもらおうと思いました。次の来日のときには持っていきますので、皆さん楽しみにしていてください。

カテンベはこれから一生、高価な薬を飲み続けなければならないので、それを支えるためにも、楽しいチャリティグッズの制作はずっと続けていきたいと思っています。この、スラムの廃材職人・ジョンと仲間たちも、カテンベ応援団の一員です。

今年の2月以来、どんどん広がっていったカテンベ応援団の輪は、たくさんの勇気と希望と友情を与えてくれました。カテンベの医療費を支えることや、カテンベの命を支えるという最大の目的だけにとどまらず、いかに「生きる」のかという本質的なことや、人と人とのつながり、生命の輝きなどについて、様々な学びや気付きのチャンスを与えてもらいました。みんなで力を合わせて、危険だったときを乗り越え、「手術」を実現することができ、今、カテンベは新しい人生のチャンスを得ることができました。10月26日を期に、カテンベは新しい人生の一歩を踏み出しました。今日はその3日目です。深くかかわらせていただいている私たちにとっても、そして、カテンベ応援団の皆さんにとっても、一緒に踏み出した新しい人生の3日目であったと思います。

手術が完了したその瞬間から、移植された腎臓は元気に働きはじめ、そしてカテンベの体の中で確実に生きています。一瞬一瞬、どんどん再生を続けていくカテンベの姿、輝きを増していく生命の力強さを目の当たりにしながら、「生」というものをリアルに感じています。生命のエネルギーというのは、いかに前向きに前進するものであり、しなやかで、喜びに溢れ、希望に満ちた美しい光なのかということを、思い知らされています。

まずは手術が成功したこと、これが確実な第一歩でした。これから先は、臓器移植を受けたカテンベの体と、腎臓のひとつを提供したカテンベのお母さんの体が、日常生活の中で健康を保ちながら生きていけるようにすること。長い闘病生活で停滞していたカテンベの成長と、今後の人生の展開。カテンベの復学と新しい生活。など、踏んでいかねばならないステップや課題はたくさんあります。

そうやって新しい人生を得たカテンベが、今後、その新しくいただいた生きるチャンスを、どのように生かしていくか、そして、いかなる人生を生きるか、ということが、これからの道なのではないかと思っています。

こうして新しく得た人生の、一瞬一瞬が宝です。

そして、カテンベが個人的な人生を幸福に生きるということはもちろんのことですが、それだけでなく、カテンベの命が伝えてくれる、大切なメッセージがあります。

カテンベや、カテンベの家族、そしてカテンベ応援団の皆さんと共に、この第一歩からはじまった新しい道を、さらに歩んでいくことができればと願っています。

生と死の境での奮闘を、私たちにさらけ出してくれたカテンベは、強いメッセージを投げかけてくれました。人生の時間がどれだけあるか、いつまで生きていられるかということは、実は、私たちすべての人間にとって、誰にもわからないことです。だけどそれを実感しながら生きている人はなかなかいないものです。カテンベは、それを際立たせた存在として、私たちの人生に登場してくれました。手術が成功したとはいえ、カテンベ自身、これからどのくらい生きられるかということは、誰にもわかりません。だけどそれは、カテンベだけではなく、私たちすべての人間にとっても、同じことです。

だから、生きている「今」の一瞬一瞬が、まさに、本当に貴重なチャンスなのだと思います。カテンベにとっても、私たちにとっても。

カテンベは、皆さんに支えられた手術により、その貴重なチャンスをいただきました。

一瞬一瞬をいつも精一杯生かして、より良く生きていきたいですね。



この3日間、目覚しい前進であったと思います。

コンディションが落ち着いてきたら、ゆっくりと、カテンベの今後の人生についての相談をはじめたいと思います。まずは最も大切なのは、カテンベ自身の意志です。カテンベがどんなふうに人生を生きたいか。彼がこの経験から得たこと、そこから発展していく彼自身の変化。彼はだんだん、それを咀嚼、吸収して、これから先の彼自身の人生の肥やしにしていくことと思います。

そして、彼が今後の自分の道を探って、納得いく歩みをはじめることができるように、私たちは影になり日向になりサポートを続けていきたいと思います。そのために、カテンベ自身、カテンベの家族、そして、カテンベ応援団の皆さんとも、密な話し合いや意見交換をしていければと願っています。

カテンベ自身、これまでの闘病が、自分だけの力ではなく、たくさんの人々とのかかわりの中で生まれてきた可能性だったということを、深く実感しています。カテンベはまだ15歳だけれど、とても理知的で深い精神性を持つ人物です。これから先、この体験の意味や自分の立場を、彼はもっともっと知っていくことになるだろうという気がしています。

そして、カテンベの命のサポートをするのと同時に、サポート隊のほうもこの経験から多くの大切なことを与えてもらっていると実感している人々がたくさんいるということを、私もとても強く感じさせていただいてきました。

手術が成功して、これがゴールなのではなく、ここがまたはじまりなのだということを実感しています。

本当にありがとうございます。これからもどうか一緒に歩ませてください。よろしくお願いいたします。

早川千晶
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# by keep_music | 2006-10-31 12:56
カテンベ手術大成功!!
大西匡哉

カテンベ腎臓移植基金の設立にあたって
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カテンベの移植手術大成功でした!!
ママカテンベからもらった新しい腎臓はカテンベの体の中でしっかり働いています。
昨日は6リットルも尿が出たそうです。
術後の経過もとても順調です。
ママカテンベは早くも立ち上がって歩きはじめています。
まだ傷口はかなり傷むようですが、とても穏やかな表情で周囲の人々に感謝を述べる姿はまるで観音様のようでした。

カテンベもママカテンベも手術前からとても希望に満ちた様子で、一切迷いの無い顔をしていました。
驚いたのは、手術をする前から全てうまくいくという大きな安心感にあたりが包まれていて、何か目に見えない大きな力に支えられているような感じをとても強烈に受けました。
おそらく手術の成功を願う多くの人達の想いが、大きな力となってその場を満たしていたのだろうと思います。

手術から一日たった今日は、ICUからレディマクミラン病棟に移されました。これから一週間面会謝絶で、すごすことになります。
拒絶反応を抑えるために免疫抑制剤を使用していて、外からの感染症にかかりやすくなっているので、一週間僕達は小さな小窓から覗くことしか出来ません。
順調に行けば、ママカテンベは一週間後、カテンベも二週間後には退院できるそうです。
まだまだ安心は出来ませんが、手術を無事に終えて本当にうれしく思います。
協力してくれた全ての存在に心から感謝いたします。
ありがとうございました。

大西匡哉
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# by keep_music | 2006-10-31 12:54 | 経過報告
2006年10月27日 早川千晶
早川千晶

カテンベ腎臓移植基金の設立にあたって
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手術後1日たったカテンベとお母さんの様子をご報告します。

今日もまた朝早く匡哉と共に病院に行きました。まずはカテンベ。ほんとによくおしっこが出たようです。ムウォンゲラ先生は嬉しそうに、「なんとすでに6リットルものおしっこが出ているよ」と言いました。「お母さんの腎臓は、もう確実にカテンベの体の一部になったね」という言葉に感動がこみあげました。おしっこの量で腎臓の働きぶりが具体的にイメージできて、よけいに感動しました。臓器とは、本当にすごいものですね。「6リットルおしっこが出たよ」という言葉を聞いて、嬉しくて泣き合ったり、手を取り合って飛び跳ねたりしている自分たちの姿は、よく考えてみるとなかなか笑えます。

カテンベはまだぐったりとしているけれど、私たちに手を振ってくれました。

次にお母さんに会いに行きました。お母さんの部屋をのぞくと、ベッドに誰もいない。なんと、カテンベ会いたさに、ひとりで歩いてICU(集中治療室)まで行っていたのでした。もう歩けるほどになったのか、と、びっくりしました。お母さんはとても落ち着いていてすごい体力です。それと顔がまるで菩薩のように慈愛に満ちた静かな表情になっていて、これにも驚きました。お母さんに、「カテンベはミラクル・ボーイだとみんなで話しているけど、あなたはまさにミラクル・マザーだね」と言ったところ、お母さんは笑って、こう言いました。

「人間が生まれる日と死ぬ日はひとつだけ。決められた日があるんだよ。その決められた日に到達していなければ、どんな目にあっても必ず息を吹き返してこの世に戻ってくる。決められた日がやってきたら、どんなことをしても死ぬんだよ。私は、これまでの人生で身の回りに大変な重病人と死んでいく人々を見てきたから、そういう真実がはっきりとわかる。だからね、その決められた日が来たから死んだとしても、それは嘆かなくていい。

決められた日まで、ひたすら精一杯生きる。それだけだよ。」

ああ、そうなんだ。この話を聞いていて涙がこぼれました。

私は、これからのカテンベの人生はどうなっていくのだろう、(これでどのくらい生きられるのだろう)、ということを、ふっと考えると不安になるときがあり、それであわてて不安を打ち消して、考えないようにしていました。調べていたら、腎臓移植後に何年間生きた例だとか、移植後10年間生きたけど癌になって亡くなったという例を聞いたりすると、胸が痛くてたまらなくなったりします。カテンベは今15歳です。5年で20歳、10年で25歳、15年で30歳・・・と数えはじめると、ため息が出てきます。元気になって走り回れるのがとても楽しみで、だけどそれと同時に、「でもまた腎臓が機能停止したとしたら・・・どうしよう・・・」と思うと、涙が出てしまっていました。

だけど、今日のお母さんの言葉は、生と死の境をくぐりぬけてきた経験があるからこそ言える深い真実に満ちた言葉でした。誰にでも決められた日があり、その日が来たら死ぬ。それまでの日々を、ひたすら精一杯、一生懸命生きるのみ。それがいかに尊いことか。

あと何年生きられるのだろうか、ということを、今心配しても仕方がありません。

いや、そんなことは考えても意味がない、と思いました。

カテンベが元気になって、学校も出て、仕事について、恋をして結婚して、子供もできて・・・そんな頃に15歳の自分がみんなと共にくぐりぬけた闘いを思い出して、カテンベはどんなふうにそれを自分の子供たちに話すのだろうね!と、その姿を想像しながら話をして、みんなで笑いました。

さて、昼ごろになるとお母さんもカテンベもどんどん元気になってきました。お昼ごろにカテンベがICUを出て一般病棟の個室に移動しました。そしてまもなくお母さんも、カテンベと同じ部屋に入れてもらうことができました。この個室は、これから1週間の間、できるだけ外部との接触を避けるようにしなくてはならず、(感染を防ぐため)、1週間は私たちは中に入ることができません。しかし、小さな丸いガラス窓がついているので、そこからのぞけば中が見えます。拒絶反応を抑えるために、大量の免疫抑制剤が投与されますので、感染は命取りになってしまいます。

お母さんと一緒の部屋にいられれば、おしゃべりをして気もまぎれるので、同じ部屋に移動できて本当によかったです。

今日の最後には、カテンベは普通にご飯を食べれるまでになりました。

私たちがのぞいている小さな丸いガラス窓に向かって、元気に手を振っていました。

新しい人生の2日目がこうして過ぎていきました。一瞬一瞬、一日一日がこんなに輝いているということを、あらためて知りました。カテンベを中心にして、たくさん、たくさんの笑顔が咲いています。見るものすべてがキラキラと輝いて見えるようで、不思議ですね。

早川千晶
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# by keep_music | 2006-10-31 12:53 | 経過報告
2006年10月26日
早川千晶

カテンベ腎臓移植基金の設立にあたって
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カテンベの手術、成功しました!

お母さん、カテンベともに、元気です。


カテンベの体に移動したお母さんの腎臓は、カテンベの体に入ったとたん、すぐに働き始め、すごい勢いで尿を放出しています。

皆さん、ありがとう、ありがとう、ありがとう!


今日の朝6時に病院に行くと、カテンベはとてもすっきりとした表情で、笑っていました。さぁ、これから手術に向かうぞ!と、迷いや恐れのみじんもない、とても美しい表情でした。

お母さんも、とても堂々とした美しい表情で、笑っていました。

私たちは、静かに語り合いながら、手術室に向かう時間を待ちました。

朝7時半過ぎにお母さんが手術室に入り、それから間もなくしてカテンベも。

手術室の扉の向こうに運ばれていくカテンベは、笑顔で、私たちに手を振りました。

7名のお医者さんたちのチームが中に入り、予定より少し遅れて午前9時に手術開始。

私たちは手術室の扉の外で、心静かに待ちました。

誰も言葉を発することもなく、静かな時間が過ぎました。

午前11時。主治医のムウォンゲラ先生が扉から出てきました。

もっと時間がかかるかと思っていたので、思いがけない早さに驚きました。

ムウォンゲラ先生はまっすぐに私たちのもとにやってきて、こう言いました。

「成功です。お母さんの腎臓は、カテンベの体に入ってすぐに働き始め、どんどん尿が出ています。まだ処置に少し時間がかかりますが、心配ありません。しばらくしたらこの扉から出てきますよ」

ムウォンゲラ先生は、興奮を抑えきれないようなはればれとした表情をしていました。これまで見たことのない先生の表情でした。

私たちは、しばらくの間、まったく言葉を発することができませんでした。しばらく、身動きすることもできなかった。あまりにも強い感動が押し寄せてきたとき、言葉すら出てこないのだということを私ははじめて知りました。

声にならない言葉で、ただひたすら、ありがとう、ありがとう、ありがとう!と、その一言だけが繰り返し突き上げてきました。

それから約1時間後に、お母さんが扉から運ばれてきました。

そしてそれからまたしばらくしてカテンベが。

お母さんは目をあけて私たちを見て、かすかにほほえみました。

お母さんの顔の美しかったこと。お母さんの目に涙が浮かんでいました。息子の命を助けたいという一心で、手術の恐怖を乗り越えたお母さんに、あらためて、心からの尊敬の念がこみ上げました。

カテンベはすぐにICUに運ばれました。経過は良好。管につながっている袋に、どんどん尿が流れ込んでいきます。まるで奇跡を見るような想いで、私たちはそれを見つめました。

それから夜までの間に、時間をかけて、お母さんとカテンベはだんだんと目覚めていきました。意識がだんだんはっきりしてきたところで、お母さんが最初に発した言葉は、「ありがとう、感謝します」という言葉でした。麻酔から目覚めていくにしたがって、お母さんにはひどい痛みが襲ってきたようですが、その痛みに耐えながらも、とてもはっきりと、微笑みながらお母さんは「ありがとう」と言いました。これで息子の命が助かると、自信に満ちた母親の神々しい表情でした。

カテンベが目覚めるにはまだしばらく時間がかかりました。ガラス張りの部屋で、私たちは中に入ることができませんが、ガラス越しにカテンベを見守っていました。

そして目を開けたカテンベ。大きく目を見開いて、びっくりするほどとても澄んだ目で私たちを見ました。だけど次の瞬間には、また睡魔に引き込まれていきました。

カテンベは眠り続けましたが、その表情はとても静かで、こんこんと気持ちよく眠り続けているというかんじでした。

数時間後には、カテンベは時おり目を見開いては、ゆっくりと私たちに向かって手を振るようなしぐさをするようになりました。

午後7時にはだいぶしっかりした表情になってきて、ガラス越しに私たちが声をかけると、それに答えてうなずいたり、微笑んだりするようになりました。



今日という日は、私は、自分のこれまでの人生において最大の感動をいただいた日でした。

お母さんの体から取り出された腎臓が、カテンベの体に入ってすぐに働きはじめ、尿がどんどん放出されていくさまを、まるで奇跡のように見つめました。生命とは、なんと偉大な奇跡なのかと。思い知らされました。

すべての人々が心を合わせて、一体となって、みんなで大きな山を乗り越えたという確かな実感がこみあげてきました。ケニアで、日本で、そして世界のあちこちで、祈っていてくれた皆さん、本当にありがとう!感謝と喜びでいっぱいです。



これから、注意深く経過を見守っていかねばなりませんし、拒絶反応なども乗り越えていかねばなりません。まだまだ奮闘は続いていきます、が、この大切な一歩を、多くの人々と共に踏み出すことができたこと、心から感謝申し上げます。

厚く高くそびえたっていた強固な壁を打破して、新しい場所に出たような、そんな気持ちです。その壁の向こうには、またさらなる道が延々と伸びています。どうか、この道をさらに共に歩んでいけるよう、力をください。

「生きたいから、がんばるんだ!」というカテンベのまっすぐな気持ち、そして、体を張って息子を助けようとしたお母さんの愛情。それに共鳴してカテンベを支えるために集まってきてくれた人々。

ありがとうございます。本当にすごい光に触れさせていただきました。

うまく言葉になりませんが、心の奥底からの感謝をこめて、このご報告を送らせていただきます。すべてに、本当にありがとう。

早川千晶
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# by keep_music | 2006-10-27 09:12 | 経過報告